日本の大手言語サービスプロバイダーは、遠隔同時通訳技術の可能性を早い段階で取り入れ、仮想空間で多言語対話を継続できるよう顧客を支援してきました。
日本は世界より一歩先を進んでいるという世界的評価を得ています。
互いに助け合い、懸命に働き、新しいテクノロジーを育み、受け入れる文化が、GDP世界第3位を誇る日本を牽引しています。半世紀にわたり、日本を代表する言語サービスプロバイダーであるサイマル・インターナショナルは、政治、経済、文化の担い手や組織の異文化理解と対話を促進する上で重要な役割を果たしてきました。
1965年の創業以来、サイマル・インターナショナルは数々の技術革新を目の当たりにし、新たな環境や市場ニーズに巧みに適応してきました。近年、通訳・翻訳サービス市場が急速に成長する中、サイマルは、クライアントに高品質をより容易かつ効率的に提供し、コスト削減を図るため、業務改善に継続的に取り組んできました。近年、多くのクライアントが管理業務とコスト削減を重視し、アナログ通訳機器をWi-Fiやスマートフォン対応アプリケーションに置き換えるようになりました。
東京オリンピック開催を目前に控え、多様な通訳サービスへの需要が高まっています。これは、アナログ機器からの脱却、柔軟性の向上、システム化、そして人員削減といったニーズへの対応が不可欠であるという当社の認識を改めて裏付けるものです。「発注・管理の容易さは品質向上の重要な要素であり、このサービスを新たなレベルに引き上げたいと考えました」と、サイマル社長の林潤一氏は説明します。
遠隔同時通訳技術(RSI)が言語サービスプロバイダーに新たな道を開く中、サイマル代表取締役の林潤一氏は、RSIが自社のビジネスにもたらす可能性を早い段階から認識してきました。それは、多層的なコスト削減、通訳サービスの柔軟性、そしてビジネスの将来性確保といった点においてです。サイマルの顧客の多くは、新型コロナウイルス感染症の流行以前は遠隔通訳のメリットを実感していませんでした。しかし、ウイルスの感染拡大が続くにつれ、サイマルにおけるInterprefyの需要は急速に増加し始めました。現在、サイマルで遠隔通訳を利用したイベントの半数以上は、リピーターからの問い合わせであり、イベントで引き続きInterprefyを利用したいとの要望が寄せられています。
遠隔同時通訳の分野でトップ企業であるInterprefyは、私たちにとって非常に貴重で信頼できるパートナーでした。彼らは日本市場への関心を示し、慎重にプロセスを進めてくれました」と林純一氏は締めくくりました。
サイマルは2019年10月にInterprefyのRSIソリューションを顧客に提供開始し、通訳者が同時通訳を行うためのプロフェッショナルなリモート環境の構築を決定しました。日本では多くの家庭で在宅勤務のためのスペースが限られており、イーサネットケーブル経由で通訳中に安定した接続を確保することが困難な場合が多くありました。そこでサイマルは、東京と大阪のオフィスにブースのような部屋を設け、2つの通訳ハブを構築しました。これにより、防音対策が施され、設備の整ったプロフェッショナルなリモート通訳環境が実現しました。サイマルは必要に応じて最大10室の仮設部屋を追加することができ、ハブから20名の通訳者が同時に作業することができます。
自宅で良好な作業環境を整えることの難しさに加え、通訳パートナーが隣にいないと不安を感じる通訳者もいます。当社の通訳ハブは、この問題を解決し、通訳者が自宅で仕事をすることを選択できるようにしました」と林純一氏は語ります。
サイマルは2020年1月に顧客向け通訳サービス「Interprefy」を開始し、その後の危機的状況に備え万全の態勢を整えていました。「このような状況下では、大規模な会議を開催することができなくなったため、遠隔通訳とInterprefyの活用を顧客に積極的に働きかけ、イベントをオンラインで開催する方法をご提案しています」と林氏は説明します。4ヶ月間で、InterprefyのGatewayソリューションを介してサイマルの通訳サービスを利用し、100件以上のイベントがオンラインで開催されました。これにより、Webex、BlueJeans、Zoomで開催される役員会議や経営幹部会議に高品質な遠隔通訳が提供されています。
「ニューノーマルが確立され、遠隔通訳のニーズは高まり続けています。品質、効率、信頼性の面でクライアントのニーズを満たすサービスを提供できることを大変嬉しく思います」と林純一氏は締めくくりました。
リモート同時会議技術をいち早く導入したサイマルは、新型コロナウイルス感染症の危機をうまく乗り越えただけでなく、日本のビジネス文化の先進的な考え方を実証しました。